中坊進二の京都トリップ、雙林寺の魅力

中坊進二が京都東山にある雙林寺を訪れたのは清水寺から清水坂二年坂・三年坂を散策してから高台寺を訪問した時です。高台寺から「寧々の道」を通って円山公園に行くことができますが、雙林寺は公園に入る手前にある「円山公園音楽堂」の裏にあります。
知恩院前の前から円山公園や寧々の道を通って清水寺に至るルートは京都市内でも最も人気のある観光コースで、中坊進二が訪れた日も多くの外国人観光客がいました。ところが、円山公園の脇にある寺に至る細い道を進んで行くと観光客の姿は消えて、小さな本堂は人の少ない所にひっそりと佇んでいました。かつては広大な寺領を有していたものの、高台寺や大谷祖廟の造営のために寺地を献上して規模が縮小されました。さらに円山公園の造成のために土地を提供してから規模が小さくなり、今では地境内にある西行堂だけが取り残されているのです。
雙林寺は平安時代に最長によって創建され、後白河天皇に仕えた平康頼、平安時代後期の歌人西行南北朝時代歌人頓阿などが隠棲したことがあるほどの、歴史のあるお寺で、境内には平安時代に作られた木造薬師如来坐像(重要文化財)が安置されています。このお寺は歴史を通じて衰退したり寺領が縮小したりしましたが、それでも現在に至るまで本堂と薬師如来像だけは大切に守り続けられてきたのです。
雙林寺の最大の魅力は京都東山の地で寺領が縮小されたり衰退したりしたものの、平安時代から平成の現在に至るまで存続し続けてきた“芯の強さ”であると中坊進二は感じています。